住宅省エネ性能証明書 業務要領

 この住宅省エネルギー性能証明書の発行業務要領は、株式会社 神奈川建築確認検査機関(以下「KBI」という。)が「特定エネルギー消費性能向上住宅及びエネルギー消費性能向上住宅の新築取得等をした場合の住宅ローン税額控除の特例並びに特定エネルギー消費性能向上住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除に係る租税特別措置法施行規則第18条の21第16項及び第17項の規定に基づき国土交通大臣が財務大臣と協議して定める書類に係る証明について」(令和4年5月20日、国土交通省住宅局)等に基づいて実施する住宅の省エネルギー性能を証明する書類の発行に関する業務(一戸建ての住宅に限る。)について適用します。

1.ZEH水準省エネ住宅及び省エネ基準適合住宅の基準

 令和4年度税制改正により、認定住宅等の新築取得等を行った場合の住宅ローン税額控除の特例(住宅ローン減税の借入限度額の上乗せ措置等)の対象となった、特定エネルギー消費性能向上住宅(以下「ZEH水準省エネ住宅」という。)及びエネルギー消費性能向上住宅(以下「省エネ基準適合住宅」という。)の基準は、表1を適用します。

表1

対象 基準
住宅の新築または
新築住宅の取得
ZEH水準省エネ住宅 断熱等性能等級5以上※1※2かつ一次エネルギー消費量等級6※1以上
省エネ基準適合住宅 断熱等性能等級4以上※1※2かつ一次エネルギー消費量等級4※1以上

※1 評価方法基準第5の5の5-1(3)および評価方法基準第5の5の5-2(3)
※2 評価方法基準第5の5の5-1(3)ハに規定する結露の発生を防止する対策に関する基準を除く

2.ZEH水準省エネ住宅及び省エネ基準適合住宅を証明する書類

 ZEH水準省エネ住宅又は省エネ基準適合住宅の省エネルギー性能を証明する書類は、表2となり、本発行業務要領は表2中の「住宅省エネルギー性能証明書」の適合審査を行うための要領となります。

表2

対象 基準
住宅の新築または
新築住宅の取得
次のいずれか
①住宅省エネルギー性能証明書※1(当該家屋の取得の日前※2に、当該証明のための家屋の調査が終了したもの)
②建設住宅性能評価書の写し※3(当該家屋の取得の日前※2に評価されたもので、対象基準の性能を有していることが証明されたもの)

※1 建築士事務所に属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人のいずれかが発行
※2 令和5年4月1日前に供される家屋については、令和5年4月1日前
※3 登録住宅性能評価機関が発行

3.審査手順・発行業務の要領

(1).手続きの流れ

1)審査・発行の条件

①業務の対象
 住宅省エネルギー性能証明書の発行業務の対象は、住宅の新築又は新築住宅の取得とします。また、新築の場合、申請の時期は着工前、着工後を問わないものとし、原則、現場審査時期前とします。

②適合審査の実施者
 適合審査の実施者は、住宅品質確保法第13条に定める評価員でKBIに評価員として選任されている者(以下「審査員」という。)とします。また、業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがあるものとして、「評価の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがあるものとして国土交通大臣が定める場合」(平成18年国土交通省告示第304号)を審査者に準用します。

③適合審査に必要な提出図書
 適合審査に必要な提出図書は、次のとおりとなります。(1部提出)なお、設計住宅性能評価、フラット35、BELS等をKBIに同時に申請する場合においては、適合審査に必要な提出図書のうち設計住宅性能評価、フラット35、BELS評価等の提出図書と重複するものは省略することができます。(ただし、適合審査の内容が確認できる場合に限る。)

a.図面審査

ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅共通
・住宅省エネルギー性能証明申請書(別記第1号様式)
・設計内容説明書
・付近見取り図
・配置図
・仕様書
・各階平面図
・立面図
・断面図又は矩計図
・基礎伏図〈断熱等に関わる部分がある場合に限る
・設備機器表
・各種計算書
・各種性能等の根拠資料一式
・その他審査に必要な書類
※共同住宅の場合は該当する住戸に関する図面

b.現場審査

ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅共通
・建築基準法第7条第5項に規定する検査済証又はその写し
・建築士法施行規則(昭和25年建設省令第38号)第17条の15に規定する工事監理報告書又はその写し

2)業務の引受

 KBIは、申請者から住宅省エネルギー性能証明適合審査の申請があった場合は、住宅省エネルギー性能証明書申請書の正本に1)③の図書が添付されていること及び以下の事項について確認します。提出図書に特に不備がない場合には申請者に対して引受承諾書及び請求書を交付します。
 a.申請のあった住宅が、機関の定める住宅性能評価業務を行う区分に該当すること
 b.申請のあった住宅の建て方(一戸建ての住宅か共同住宅等)の確認をすること
 c.申請に評価書等の添付がある場合は、その書類の確認をすること
 d.提出図書に不足なく、かつ記載事項に漏れがないこと

3)図面審査の実施

 2)の後、「(2).適合審査の方法」により審査を行います。
 1)③で提出された図書の内容に疑義がある場合は必要に応じて申請者又は代理者に説明を求め、誤りがある場合は訂正を求めます。

4)現場審査の実施

 2)の後、「(2).適合審査の方法」により審査を行います。
 1)③で提出された図書の内容に疑義がある場合は必要に応じて申請者又は代理者に説明を求め、誤りがある場合は訂正を求めます。

5)住宅省エネルギー性能証明書の発行

 「(2)適合審査の方法」による審査が完了し、基準に適合していると認める場合、入金がされたことを確認し、申請者に対して住宅省エネルギー性能証明書(令和4年国土交通省告示第455号別表)を発行します。
 また、申請者から紛失等による証明書の再発行の依頼があった場合、証明書に再発行である旨と再発行日を記載して、発行します。
 なお、提出図書の内容が基準と不適合の場合又は明らかな虚偽がある場合は、申請者に対して住宅省エネルギー性能証明書不適合通知書を発行します。
 証明申請者は、不動産登記法に基づく家屋番号等が確定したときは、家屋番号等を通知しなければなりません。

(2).適合審査の方法

1)住宅の新築又は新築住宅の取得をする場合

①図面審査
 ZEH水準省エネ住宅の基準又は省エネ基準適合住宅の基準に適合していることを提出図書により審査します。(申請に係る家屋における外皮平均熱貫流率の基準、一次エネルギー消費量に関する基準等との照合を行う。)審査方法は、設計住宅性能評価(新築)の実施方法に準じます。なお、評価書等により、同等の基準が確認できる場合には、審査を省略することができます。

②現場審査
 工事監理報告書又はその写しの提出があった場合においては、工事が当該設計図書等のとおりに実施されているかどうかを確認します。なお、確認においては国土交通省住宅局住宅生産課が令和4年10月4日に発出した事務連絡「『住宅省エネルギー性能証明書』の発行について」を参照ください。
 工事監理報告書又はその写しがない場合又は対象の家屋が建築確認を要しない建築物に係るものである場合は、提出図書等と現場の整合性を現地にて審査します。目視、計測、施工関連図書等の確認(工事写真の確認、ヒアリング等を含む)により現場審査を行います。なお、現場審査の時期は、原則以下のとおりとします。ただし、申請時点で現場審査時期よりも工事が進捗又は完了している場合は、「2)既存住宅の取得をする場合」の現場審査の方法に準じます。

ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
断熱等性能等級
一次エネルギー消費量等級
・下地張り直前の工事の完了時
(※断熱材施工完了時)
・竣工時

4.証明業務手数料等

(1) 適合審査料金について

1)基本料金 (単位:円)

申請種別 評価書等の活用が
ない場合
[5-1:断熱等性能等級]
確認のみ評価書等を活用する場合
[5-1:断熱等性能等級]及び[5-2:.次エネルギー消費量等級]の確認に評価書等を活用する場合
<利用可能な評価書等>
・設計、建設住宅性能評価書
<利用可能な評価書等>
・設計、建設住宅性能評価書
・BELS評価書
・フラット35S適合証明書、設計検査通知書
・長期優良住宅適合確認書
一建ての住宅 44,000
(税抜料金40,000)
33,000
(税抜料金30,000)
27,500
(税抜料金25,000)

2)その他料金
 ①事前相談、変更計画に係る審査等の費用を別途請求できるものとします。
 ②KBIが定める戸数以上の申請が見込めるときで,審査が効率的に実施できるとKBIが判断したときは、料金を減額できるものとします。
 ③併用住宅(住宅の用途以外の用途に供する部分を有する一戸建ての住宅)の料金は、一戸建て住宅の料金を適用します。
 ④再発行料金
  住宅省エネルギー性能証明書を再発行する場合の再発行料金は、一通につき5,500円(税抜料金5,000円)とします。

5.雑則

(1)秘密保持について

 KBI及び審査員並びにこれらの者であった者は、この適合審査の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用しません。

(2)帳簿の作成及び保存について

 KBIは、次の1)から9)までに掲げる事項を記載した証明書の発行業務管理帳簿(以下「帳簿」という。)を作成し事務所に備え付け、施錠のできる室又はロッカー等において、個人情報及び秘密情報が漏れることなく、かつ、証明書の発行業務以外の目的で複製、利用等がされない、確実な方法で保存します。

 1)申請者の氏名又は名称及び住所又は主たる事務所の所在地
 2)証明書の発行業務の対象となる建築物の名称
 3)証明書の発行業務の対象となる住宅の家屋番号及び所在地
 4)証明書の発行業務の対象となる住宅の建て方
 5)証明書の発行業務の対象となる住宅に適用した住宅性能
 6)適合審査の申請を受けた年月日
 7)適合審査を行った審査員の氏名
 8)適合審査料金の金額
 9)証明書の発行を行った年月日又は不適合通知書の発行を行った年月日ただし、上記に掲げる事項が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクに記録され、必要に応じKBIにおいて電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該ファイル又は磁気ディスクをもって「帳簿」に代えることができる。

(3)書類等の保存

 帳簿は適合審査業務の全部を終了した日の属する年度、適合審査用提出図書および証明書の写しは証明書の発行を行った日の属する年度から5事業年度保管します。

(4)国土交通省等への報告等

 KBIは、公正な業務を実施するために国土交通省等から業務に関する報告等を求められた場合には、適合審査の内容、判断根拠その他情報について報告等をします。

附則(令和5年3月27日・KBI訓令第360号)
この要領は令和5年4月1日から施行する。